ヤツが入院した最初の数日は、あまり記憶にない。
迷惑をかけた人たちに謝って泣いて・・・
忙しいだけで、心休まる時がなかったのは確か。
取立ての電話に加えて、ヤツの会社からも毎日何度も電話があって、気が狂いそうだった。
弁護士の無料相談に行ったが、アドバイスされることはネットで調べたことと同じ。
自己破産しか道はなかった。
弁護士に言われて、知ってる限りの借金先と金額を書き出す。
総額600万。自己破産は当然だろう。返す当てもない。
弁護士に依頼するために、改めて予約を取ることになったのだが、依頼は本人でなければダメで、病院と相談をして外出できるようにした。
ヤツの母親の行方も捜した。
母親は、ヤツの会社の身元保証人になっていたのだ。
会社側から、ヤツが未集金を払えなければ母親に請求するので、連絡を取るように言われていた。
以前ヤツが勤めていた会社にも連絡を取り、借金の領収書の件を聞いたのだが・・・
どうやらヤツは、売り上げのお金を使い込んで後で補てんしていたらしい。
それとなく注意をしていたのだが、止めないので解雇したのだと・・・
使い込んだお金を毎月返済していたのだ。
きっと、今の会社でも同じ事をしていたのだろう・・・
横領じゃん。
母親の行方が分からないので、ヤツの叔母に相談した。
しかしヤツは、この叔母からも借金をしていた事が判明。
車検があるから貸して欲しいと頼んできたそうだ。
そのお金は、数日で返済したらしいが・・・その時期、家には車検の車なんてなかったんですけど・・・
母親の借金を肩代わりしたことも、事実ではないらしい。
じゃ、
立て替えた50万は・・・?
それでもこの叔母は、病気の事も借金の事も
『大げさだ』と言うだけ。
どんどんヤツの正体が見えてきて、恐怖すら感じた。
まったく私の知らない人間だよ。
これが、統合失調症の特徴なのか・・・?
それとも、私がヤツを見ていなかっただけなのか・・・?
私が大げさすぎるのか・・・?
どんどん感覚がおかしくなっていく。
居場所が分からない母親。
自己破産すれば、すべて解決すると思っている叔母。
味方がいないよ・・・
今思うと、この頃の子供たちってどんな心境だったのだろう?
私以上に辛かったかもしれない。
仕事から帰ってご飯も食べないで母親を探しに出たり、親戚の家に行ったりしていて、まともに会話もできていなかったかもしれない。
子供たちのことは、本当に記憶にないのだ。
ポッカリ抜け落ちてる感じ。
この時期に、フォローしてあげられなかったことが悔やまれる。
自己破産の無料相談